2026/05/29 09:42
接客をしていると、タヒチパール(黒蝶真珠)を初めて見るお客様が多くいらっしゃいます。
「こんなに綺麗なんですね」
「真珠ってこんな色もあるんだ…!」
その美しさに感激いただける瞬間は、ジュエリーに携わる者として本当に嬉しい時間です。
その中で、よくいただく質問があります。
「タヒチパールはお葬式でも着けられますか?」
こちらについては、少し丁寧にお伝えしたいと思います。
一般的に、お葬式の場ではメタル感の強いものやビジュー系など、強く光る装飾品は控えるべきとされています。
普段のアクセサリーには自由があります。
けれどお葬式では、少しだけ考え方が変わります。
今回は、プロジュエラーとパールメーカー様へのヒアリング内容も交えながら、お葬式につけるジュエリーについて、最新の現場感を解説します。
お葬式にアクセサリーはつけてもいい?
結論からいうと、つけても問題ありません。
ただし大切なのは、
・華美でないこと
・目立たないこと
です。
弔事の場では、主役は自分ではなく故人とご遺族。
装いもまた、敬意を表すものとして考えられています。
お葬式の定番は真珠
最も一般的なのは真珠です。
真珠は「涙の象徴」とされ、やわらかな光沢を持つことから、古くから弔事に用いられてきました。
一般的には、
・あこや真珠
・シルバーグレー系
・ブラック系真珠
などが選ばれています。
白真珠が最も無難。でも最近はグレー系も増えている
現在でも、白のアコヤ真珠が最も無難という考え方は根強く残っています。
一方で近年は、シルバーグレー系を選ばれる方も少しずつ増えているそうです。
弔事で黒蝶真珠を選ばれる場合は、ピーコックやグリーンなど干渉色が強いものよりも、黒〜シルバーグレー系の落ち着いた色味が好まれるそうです。
またサイズについても、センター10mm前後の比較的小ぶりなラウンド系が選ばれる傾向があるそうです。
黒蝶真珠は華やかなイメージを持たれがちですが、色味やサイズ感によって印象は大きく変わります。
つまり、
黒蝶真珠=NGではない。
ただし、“控えめな色味と佇まい”が前提。
これが、現在の現場感なのだと感じました。
タヒチパール(黒蝶真珠)はお葬式で使える?
「黒真珠だからお葬式向き」と一括りには言えません。
タヒチパールには、グレー系・ブラック系だけでなく、ピーコックやグリーンなど華やかな干渉色を持つものもあります。
そうした色味は、光によって印象が変わり華やかに見えることがあります。
そのため弔事で選ぶ場合は、
・ラウンド系
・小ぶりサイズ
・黒〜シルバーグレー系
・干渉色が強すぎないもの
が安心と言えそうです。
バロックパールはお葬式で使える?
近年人気のバロックパール。
個性的で美しい真珠ですが、弔事ではどうでしょうか。
こちらについては、真珠であってもバロックパールはフォーマルな葬祭の場にはあまり向かない、という見解でした。
理由はシンプルです。
バロックは形の個性が強く、視線を集めやすいため。
お葬式では「デザイン性」よりも、「控えめさ」が優先されるため、ラウンド系が無難とされています。
ネックレスは“一連”が基本
ネックレスは一連(ひとえ)が基本です。
二連・三連は「不幸が重なる」と連想されるため、弔事では避ける考え方があります。
長さについても、冠婚葬祭では目立たないチョーカータイプが無難、というお話がありました。
首元に沿う短めの長さは、フォーマル感があり落ち着いた印象になります。
ピアス・イヤリングは小ぶりに
耳元は、
・一粒
・小ぶり
・揺れないデザイン
が基本です。
お葬式では、「目立たない美しさ」 が求められます。
結婚指輪はつけたままでいい?
結婚指輪(マリッジリング)は基本的につけたままで問題ありません。
日常的・社会的な意味合いが強いためです。
ただし、大きなダイヤや強く輝くデザインの場合は、場面によって外す判断をする方もいます。
まとめ|お葬式のジュエリーに必要なのは“控える美しさ”
普段のアクセサリーは、自分らしさを表現するもの。
でもお葬式では、少しだけ意味が変わります。
華やかさより、静けさ。
個性より、敬意。
白真珠が最も無難とされながらも、近年はグレー系や黒蝶真珠を選ぶ方も増えています。
ただし大切なのは、色や種類そのものではなく、
「敬意を払うこと」
なのかもしれません。
今回、パールの長く垂れるデザインがしっくりこなかったこともあり、ジェットのネックレス・ピアスセットを制作しました。
送り出す時間にも、その人らしい敬意があっていい。
そう感じています。
こうした弔事用ジュエリーのオーダー制作も行っておりますので、お気軽にご相談ください。

